マジシャンが使うマジックの用語集

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マジシャンがマジックで使う用語、関連用語を解説します。
全てのマジック用語を網羅するのではなく自分が必要だなと思ったものだけを載せています。
逐次、必要だなと思ったものを更新して載せていきます。

間違っていた場合はごめんなさい。

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目次

アイスブレーカー(アイスブレイク) / Icebreaker

アイスブレーカー(アイスブレイク)とは緊張した雰囲気を和ませること。
マジックでは披露宴やカクテルパーティーなど初対面の人々が集まる場でマジシャンが場の緊張を和ませて参加者のコミュニケーションを活発にするきっかけを作ることとして用いられる。
元は砕氷船の意味。

アンダーダウン / Under-Down

アンダーダウンとはカードのデックやパケット(束)のトップのカードをボトム(下)に回し、次のカードをテーブルに置く操作のこと。このようにしてカードを配ることを「アンダーダウンディール / Under-Down Deal」と呼ぶ。セルフワーキングのカードマジックでよく使われる。例えばこの操作を繰り返して最後の1枚になるまで続ける、など。
最後のカード(最後に残る(配る)カード)は計算式で求められる。
カードの枚数Nと2のべき乗(2、4、8、16、32)でNよりも小さい中で最大の数をMとする場合
(N-M)x2+1=
例)7枚のカードの場合は(7-4)×2+1=7
7枚目のカードが最後のカード
先にダウンから始める場合は「ダウンアンダー」と言う。

エキボック / Equivoque

エキボックとは複数の中から客に選ばせる時に、いくつかの意味に解釈できる言葉や曖昧な表現を使ってどれが選ばれたとしても始めから決めてあった特定のものが結果的に選ばれる言葉のテクニック。
マジシャンズチョイスと同義で使われる。

エスティメーション / ESTIMATION

エスティメーションとはデックからカットした一部のパイル(カードの束)の枚数を数えることなく厚みを目視したり触った指の感覚などで枚数を推測することを言う。大まかな枚数を知ることができる。
正確に枚数を知る場合には通常何らかの仕掛けや種を使う。

クロンダイクシャッフル / Klondike Shuffle

クロンダイクシャッフル(Klondike Shuffle)とはデックのトップとボトムを同時に配っていくこと。
例えば右手で上からカードを持ち、左手でデックの上を親指で下を4本指で左に引いて上下の2枚を取ってテーブルに置く。それを繰り返す。

ミルクシャフル / Milk Shuffle とも言う。

YouTube動画
クロンダイクシャッフル / Klondike Shuffle (ミルクシャフル / Milk Shuffle)の解説

ギルブレスの原理 / Gilbreath’s Principle

ギルブレスの原理とは数学者ノーマン・ギルブレス/Norman Gilbreathの考案の原理
セルフワーキングのカードマジックでよく使われる。
例1)赤黒交互のデックを2つのパイルにパイルのトップは違う色になるように分ける。
その2つのパイルをリフルシャフルしてまとめる。
まとめたデックのトップから2枚ずつ取っていくと必ず赤と黒の組み合わせとなる。赤黒または黒赤となる。赤赤、黒黒の組み合わせにはならない。
例2)A2345と5432Aの並びのパケットをリフルシャッフルして1つのパケットにしてまとめたパケットの上から5枚を取ると必ずA2345が含まれる。
Gilbreath shuffle | ギルブレスの原理

ギャンブラーズコップ / Gambler’s Cop

ギャンブラーズコップとはデックをディーリングポジションで持つときの位置よりもカードを少しマジシャン側にずらして保持するパームの種類。通常中指をコーナーまたはサイドに当てて保持する。ボトムのカードを密かに取る時によく使われる。小指側のカードの端は手からはみ出るので見えない様に角度に気をつける必要がある。
通常のボトムパームよりも速く取れて手も自然な形を多少作りやすい。
以前はギャンブラーズパームと呼ばれる事もあったが現在ではそれぞれ違う種類となっている。参照:余談 ギャンブラーズパームとギャンブラーズコップ

サッカートリック / Sucker Trick

サッカートリックとはマジックの中で観客に何かを本当のことだと一度信じさせておいてそれは実は嘘だった、という演出のこと。
一度失敗したと思わせておいて実は成功していた。
種明かしをしたと思わせておいて実は嘘の種明かしだった。
などのパターンが有る。
suckerは元々、乳飲み子、乳児の事で、そこから「騙されやすい人、カモ」として使われる。

サトルティ / Subtlety

サトルティとは相手に意識させないでさりげなく暗に印象を伝えること。
例えば手にコインを隠し持っている場合に積極的に手には何も持っていないということを示すのではなく自然な動作をする中で何も持っていないという印象を相手に伝える。
サトルティが優れていることを「サトルティが効いている」と表現する。

サトルティの名前がついた技法には以下がある。
ラムゼイ・サトルティー / Ramsey Subtlety
マリーニ・サトルティ又はカップス・サトルティ / Malini Subtlety or Kaps Subtlety
オルラム・サトルティ / Olram Subtlety

スーツ / Sute

スーツとはカード(トランプ)のマークのこと。欧米ではマークとは言わずにスーツと言う。カードのスーツはスペード、ハート、クラブ、ダイヤモンドの4種類。
例えば「好きなスーツは?」「ハート」など。

スタックドデック / Stacked Deck

スタックドデック(スタックデック)とはカードの並びを特定の順番にセットしたもの。順番に組む(並べる)ことをスタックを組むという。

有名なのだと 「サイ・ステビンス・システム / Si Stebbins stack」がある。これは規則正しく並んでいるのが特徴。

規則性が無かったり規則性が複雑で並びを覚えるのに暗記が必要なものを「メモライズドデック / Memorized Deck」という。タマリッツのネモニカ(Mnemonica by Juan Tamariz)やアロンソンのアロンソンスタック(Aronson Stack by Simon Aronson)などが有名。

その他サイ・ステビンス・システムの欠点を薄めたDani DaOrtizの「My Personal Deck」や計算式で次のカードがわかるけど並びはバラバラなRichard Osterlindの「BREAKTHROUGH CARD SYSTEM」などがある。

ストローリング・マジック / Strolling Magic

ストローリング・マジックとは、クロースアップマジックからの枝分かれでルームやイベントの場所でパフォーマーが歩きまわってお客のグループにマジックを披露する。ウォークアラウンド・マジックの一種。

カクテルパーティーで飲み物を持って立っているお客に近づいていって手品を披露するのが代表的なイメージのようです。

ただレストランや丸テーブルの着席したお客様を廻るのも含まれるのでテーブル・ホッピングもこの中に含まれています。

スライドアンダースイッチ / Slide Under Switch

スライドアンダースイッチとは複数枚のカードをデックの上で裏返してもう一度表返すと違うカードにチェンジしているというカードのスイッチ技法。例えば4枚のキングを裏返してから表返すと4枚のエースに変化するなど。すり替えるところを直視されていても見破られにくい。セットが必要。裏向きのデックのトップから2~5枚目にある表向きのカードと4枚の表向きのパケットをパケットをひっくり返すときにスイッチができる。
考案者はケンクレンツェル
使われている作品
片倉雄一のダブルショック
デビッド ウィリアムソンのRoger SMITH’S THXAS TRICK
Conjuring Archive

スラップ シャフル (スロップ シャフル) / Slop Shuffle

スラップ シャフル (スロップ シャフル)とはカードを表と裏とに混ぜていったように見せて実は裏と表は混ざっていないというシャフル。
やり方は左手にディーリングポジションに持ち親指でトップ数枚を親指で右にずらしてそれを左手で取り、左手で続いて数枚を右にずらして今度は左手を返して先程取ったカードの下に親指で挟んで取る。右手は同じことを繰り返して右手も返してもとに戻し最初のカードの下に4本指とカードで挟んで取る。左手は同じく右手もまた返して2番めに取ったカードの下に親指とカードで左手のカードを挟んで取る。これを繰り返す。

トライアンフや赤と黒のカードのセパレートや任意のカードを抜き出すのに使われる。

原案はシド・ロレイン / Sid Lorraine

参照:第79回 スロップシャフルと意外な歴史

ダウンアンダー / Down-Under

ダウンアンダーとはカードのデックやパケット(束)のトップのカードをテーブルに置き、次のカードをボトム(下)に回す操作のこと。このようにしてカードを配ることを「ダウンアンダーディール / Down-Under Deal」と呼ぶ。セルフワーキングのカードマジックでよく使われる。例えばこの操作を繰り返して最後の1枚になるまで続ける、など。
最後のカード(最後に残る(配る)カード)は計算式で求められる。
カードの枚数Nと2のべき乗(2、4、8、16、32)でNよりも小さい中で最大の数をMとする場合
(N-M)x2=
例)7枚のカードの場合は(7-4)×2=6
6枚目のカードが最後のカード
先にアンダーから始める場合は「アンダーダウン」と言う。

チャーリア シャフル /Charlier Shuffle

チャーリア シャフルとはデックを混ぜている様に見せて実はカットをしただけの状態でカードの順番は変わらないというもの。
右手にデックを持ち右親指で上の何枚かを左に押し出して左手に取る。次に右手の4本指でデックの下から何枚かを左に押し出して左手のパケットの上に重ねる。次に右手の親指でデックの上の何枚かを左に押し出して左手のパケットの下に取る。これを繰り返す。

トゥワァロル チェンジ / Twirl Change

トゥワァロル チェンジ / Twirl Changeとはカラーチェンジの一種
裏同士で重ねた2枚のカードの対角線上のコーナー(インデックス側がポピュラー)を右手中指と親指で持ち手を振りながら人差し指で左側を引っ掛けて引きながら対角線上に半回転させてから手のふりを止める。するとカードが変わったように見える。

YouTubeで動画を見る

twirlとは twirlの発音
(…を)くるくる回す、振り回す

トラディショナルカット / Traditional Cut

トラディショナルカットとは、カードを表から裏に向かって裁断するカードの裁断方法の事。元々一般的にはこの裁断方法であったが逆から、裏から表に向かって裁断するカードが出現してきたことによって元々の裁断を指す言葉として用いられるようになった。
カードのエッジは裏が尖って表が丸くなりボトムから噛み合わせるワンハンドシャッフルやフェローシャフルやテーブルフェローがやりやすい。

最近のバイシクルなどは裏から表に向かって裁断しているとよく言われるがここ最近ではそうでは無いようです。
見分け方はフェローシャフルをやって下から噛みやすいのがトラディショナルカットで上から噛み合わせやすいのが逆のものである。

トラディショナルカットのカードは
Bicycle Gold Standard / バイシクル ゴールドスタンダード
バイシクル エリートエディション
などがある。

ディープバッククリップ / Deep Back Clip

ディープバッククリップとは指の第2関節よりも手のひら側(ディープ)の手の甲側(バック)でコインを挟む(クリップ)するコインの技法。通常中指と薬指の間を使う。手のひら側からだとコインが見えない。

中指と薬指の第二関節より下は閉じているが上は開けるので手がすべて開いているように見せれる。
ダイ・バーノン考案でデビット・ロスの作品で使われている。

David Williamson LIVE (Penguin LIVE) でコインが消えて復活すマジックを解説している。

デック / Deck

1組のトランプカードのこと。通常52枚かプラスJokerを加えたカードの束の事。
必ずしも全てのカードが揃っている必要はない。数枚取り除いた後のデックなどと1組の大部分に対して使う事ができる。
これはアメリカで主に使われる。イギリス、ヨーロッパなどではpackと呼ぶことが多いそうです。

デュープリケートカード / Duplicate Card

デュープリケートカードとは、あるカードと全く同じカードを他のデックから持ってきたりして用意したカードのこと。
カードマジックではカードがあり得ないところに移動したり破ったはずのカードが復活したりする現象を行うために使われる。

Duplicateの意味は「複製の」「写しの」「まったく同じ」など

日本語表記は「デュープリケート」または「デュプリケート」

ハイヤーマジシャン / Hire Magician

ハイヤーマジシャンとは、パーティーやイベントなどでマジシャンを雇ってマジックを披露してもらうサービスやそのマジシャンの事。

日本ではこの種のサービスの事を、「出張マジシャン」や「マジシャンの派遣」と呼ぶが、アメリカやイギリスなど英語では「Hire Magician」が同じ意味で広く使われている。

バスカーとバスキング / “Busker” and “busking”

「バスカー / busker」とは大道芸人、路上パフォーマーの事
「バスキング / busking」とは大道芸、路上パフォーマンスの事
「busk」は大道芸をするという動詞
参照 Wikipedia Street performance

パリティ・プリンシプル / Parity Principle

パリティ・プリンシプルとは偶数枚のパケットをカットして上から偶数枚のカードをひっくり返す。これを適当なところで複数回繰り返した後にカードを2箇所に交互に配っていき2つのパイルを作る。
その2つのどちらかをひっくり返して重ねると裏と表がそれぞれ同じ枚数となる。
カットとひっくり返すのをおこなっている時にシャフルを1枚ずつ奇数枚加えても同じ結果となる。
セルフワーキングのマジックで使われる。
考案者はBob Hummer。Hummer Parity Principleとも言う。
CATTO Principle (Cut And Turn Two Over) または CATO Principle (Cut And Turn Over) とも言う。
作品:Origami Poker / John Bannon など

フェロー・シャフル / Faro Shuffle

フェロー・シャフルとは、カードをちょうど半分にカットし互いのカードを1枚ずつ互い違いに差し込んでいくシャフル。日本語ではファローシャッフルと表記されることが多い。

元々のトップカードがシャフル後にトップに来るのをアウトフェロー(out-faro)、トップのカードが最後に2枚目に来るのがインフェロー(in-faro)と言う。

YouTube / 動画 | パーフェクト・フェロー・シャフル / Perfect Faro Shuffle

ブリーザー・クリンプ / Breather Crimp

ブリーザー・クリンプとはクリンプの一種。事前にカード中心から4コーナーにかけて特殊なクリンプを施しておくことでいつでもそのカードからカットが可能となる。通常のクリンプと違いクリンプカードの向きを気にする必要はない。
ヴァーノン・リベレーションズ 6巻でバーノンが解説。
Pit Hartlingの「Card Fictions」(本)の作品「Finger Flicker」で使っている。
カタカナ表記はブリーザーまたはブリザー・クリンプ

プレイングカード / Playing Cards

プレイングカードとはトランプの英語での呼び名。日本で言うトランプのこと。

プロフェシー ムーブ / Prophecy Move

デックに裏向きで突き刺した1枚のカードを表返す動作でカードの上と下のパケットを密かに入れ替える動作。またはデックから1枚選ばれたカードをアウトジョグしてから表にひっくり返す動作で上下のパケットを密かに入れ替える動作。
トップとボトムにあったカードを表向きにしたカードの隣のカードだと思わせることが出来る。

動作
アウトジョグしたカードの上のパケットを右手にとり手首を返して親指とパケットのトップで右上のコーナーを掴む。
また手首を戻してカードの表を見せる。
左手にあったパケットを右手のパケットの上に重ねて表向きにアウトジョグされた状態で見せる。

考案者は「Bill Simon」で「Effective Card Magic」(1952)の作品「Business Card Prophecy」で使われた技法。

Prophecyは予言と言う意味

マーキュリー・カード・ホールド / Mercury Card Fold

マーキュリー・カード・ホールドとは密かにデックから1枚のカードを4つ折りにするカードテクニックのこと。2つ折りにする延長で再度2つ折にするので習得すると瞬時に4つ折りのカードを作れる。
通常デックを表が上になるように持ち一番下のボトムのカードを4つ折り(裏側が外側になる)にする。

これを使った作品ではデビットウィリアムソンのトーン&リストアカードが有名。
その他、カードインマウスやカードアンダーウォッチやミント缶から出現したりなど多数の作品で使われる。

1940年刊行のJean Hugard のExpert Card Techniqueで初めて解説される。

メイトカード / Mate Card

メイトカードとは一組のデックの中で数字とスペード、ハートなどのスーツ(マーク)が同じカードの事。スペードの3のメイトカードはクラブの3、ハートのQのメイトカードはダイヤのQになる。
一般の人に説明する場合はTwins(双子) CardやMatching Cardなどがわかりやすいかも。

レッド・ブラック シャフル / Red-Black Shuffle

レッド・ブラック シャフルとは赤と黒にセパレート、分離されたデックをオーバーハンドシャフルして混ぜているように見せて実際には赤と黒が混ざってないというシャフル。アイルランドシャフル/ Ireland shuffleと呼ばれることが多い。

やり方はデックの半分近くに来るまではブロック、複数枚を一度にシャフルして行くが半分近くに来てからは1枚ずつシャフル、ランする。そして半分を超えたらまたブロックを取ってランする。

赤黒の他にクラブとダイヤのパイル、ブロックとスペードとハートのブロックなどの組み合わせに使うこともある。

一般的にはLaurie Irelandのアイルランドシャフル/ Ireland shuffleと呼ばれることが多いが、実際にはCharles Jordanが先に発表していることからRed-Black Overhand Shuffleなどと呼ぶのが正しいそうです。
参照:Conjuring Credits Red-Black Shuffle | Card College Volume 5 by Roberto Giobbi P1119, On the Red-black Overhand Shuffle

ワン・アヘッドの原理 / One Ahead Principle

ワン・アヘッドの原理とは1つ先んじてトリックを完了させておくこと。これから何かをすると見せかけるが実際にはトリックはすでに完了している。

現象とトリックのタイミングがずれている。

現象の後に再度次のトリックを完了させて繰り返し現象を起こすことがある。

逆に現象の後にトリックを行うものをワン・ビハインドと呼ぶ。

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