アメリカのマジシャン、ジョン・バノンのレクチャーDVDを観たので感想を書いてみたいと思う。
これは2009年の11月ごろに発売されたDVDになる。もう10年以上前だね。
最近のバノンは元気ないけどこの頃はまだ元気。先に最近の作品を観てるので良いのはだいたいダブってたりした。
なので新しい物は少なかったのだけど個人的には色々アイデアが湧いて良かった。

個人的に気に入っているのは

Dead Reckoning
Doctored Daley
The Bannon Triumph

特にDead Reckoningは日本語化が出来たのでとても満足。

Dawn Patrol
Power Of Poker
Iconoclastic Aces
も良かった。

その他に作品の間に色々なインタービュー動画がある。もちろん英語。

Bullets After Dark (2 DVD Set) by John Bannon & Big Blind Media – DVD Price: $35.00

ジョン・バノンのその他のレビューはこちら

マジシャンのマジックショー出張、派遣はこちら

目次

Disc 1

Disc 2

Disc 1:

Dead Reckoning


客が引いたカードのスペルを頭の中で綴って行って最後に頭の中でストップと言うとマジシャンが配るのを止めてちょうどそこのカードが客のカードである。

floating key、リバースブリーザー・クリンプと普通のクリンプの組み合わせ、26枚の12,13文字の綴のカード、の3つのトリックから構成されている。

以前、Move Zero (Vol 2)で紹介しているとても不思議な作品。
ただ英語のスペルを綴るので日本語ではそのままでは出来ない。
私は少し手順を入れることによって問題を解決出来たので今度試してみたいと思う。

因みにJokerを使って53枚でやっているが52枚で演る場合は27枚目にクリンプカードをセットする。

強力
とても良い
レパートリー入り
ジョン・バノン カードマジック Dear Mr.Fantasy P84

追記:日本語版を作ったので良かったら見てね。レクチャーノートも販売している。

Dawn Patrol


客が選んだカードがフェローシャフルをすると2枚の表向きのカードの間に挟まって出てくる。

客がカードを覚えてカットするところまではDead Reckoningと同じ。floating keyが使われている。
奇数枚でのフェローシャフルのことをストラドル・フェローと言うそうだ。

52枚で演る場合は26枚目にしてフェローは普通にやれば出来る。

カットして位置がわからないはずなのにうまい具合に挟まるので不思議。
フェローを使うので若干敷居が高いけど良い

ジョン・バノン カードマジック Dear Mr.Fantasy P112

Doctored Daley


Aのハートとダイヤが入れ替わると思いきやスペードとクラブに入れ替わっている。
元はDr.Jacob DaleyのThe Last Trickと言うレッドブラックトランスポジション現象。
過去2回のペンギンライブで実演していてそれを観てから私のレパートリーになっている。
もともといい作品だけど手をクロスさせる演出によりとても良い作品になっている。

ハンドリングは2枚目の改でカードを入れ替える動作がある。私は交互にセットして2枚目はボトムからダブルで持ってくる動作に変えている。

ペンギンライブ | Penguin LIVE ACT

Power Of Poker

ポーカーで客がフルハウスだがマジシャンがストレートフラッシュで勝つ。

Bill Simon’s 64 Principleを使用。
原案はエキボックを使ってるようだけどそれをなくしてる。最初のカードをフリーチョイスにしてどちらでもストレートが作れるようになっている。
最後のカードは客が見て好きなカードを選べるようにしてある。

観るのは3回目。
選ばせ方が独特なので最初はいまいちな感じもしたけど言い回しで解決できそうなので今度ジャンボカードを使ってパーラーでやってみてもいいかなと思っている。

良い

ペンギンライブ | Move Zero (Vol 4)
ジョン・バノン カードマジック Dear Mr.Fantasy P179

Counterpunch / 4 Faces North

Counterpunch

客が選んだハートのAを4枚のAで当てると言うサカートリック。

客のカードはインハンドクロスカットフォース / Christ cross cut force (crisscross Force,カットフォース)を使う。マジシャンがデックの横をリフルしてストップした所からスイングカットしてV字に重ねる。
このフォースはよく使う。立ってできるのでとても重宝している。

ただ今回次の準備のためにパケットをひっくり返しているのはいまいちだね。もうひと工夫したい感じ。

まあまあ

ジョン・バノン カードトリック HIGH CALIBER P24

4 Faces North

トライアンフで4枚のAが出てくる。

元はバノンの”Last Man Standing“。
テンカイ・オプティカル・ターンノーバー・ムーブで2つのパケットを表と裏にする。
裏表で混ぜるのはウィーヴ シャフル / Weave Shuffle(フェロー・シャフル / Faro Shuffle)。
カードを差し込んだ状態で確認するのはGoodwin / Jennings Display。
テンカイターンノーバーとジェニングスディスプレーを使ったトライアンフ良いのだけどこの作品自体はまあまあかな。

個人的には”Last Man Standing”経由でラリー・ジェニングスのディスプレーを使ったトライアンフの手順が出来たので良かった。

ジョン・バノン カードトリック HIGH CALIBER P31

Watching The Detectives / New Jax / Full Circle

Watching The Detectives

客の選んだカードを2枚のJで挟む。

スイッチしてジョーダンカウントとエリアス・マルティプル・シフトをしている。
プロットは良いけどパケットを操作するのは怪しく感じられるかもしれない。

良いんだけどとりあえずまあまあにしておく。

garden pathとは心地良い庭の道で、相手を油断させて騙すという意味があるそうだ。

ジョン・バノン カードトリック HIGH CALIBER P34

New Jax

もう一枚選んだカードと2枚のJに挟まった最初のAが入れ替わる。
スリップカットでカードが飛び出すのはベンゼイス・スピン・アウト・カット / Benzais Spin Out Cut

ジョン・バノン カードトリック HIGH CALIBER P39

Full Circle

Jの間から4枚のAが出現

ジョン・バノン カードトリック HIGH CALIBER P44

ルーティーンの感想

うまい具合に繋がっていて悪くはないけどでもまあまあかね。

Disc 2:

Origami Prediction


数理トリック
シャフルして裏表ばらばらになった状態が予言されている。
ボブ・ハマーのCATTO、Cut And Turn Two Over Principle

最初の予言はどちらでも取れるようになっているけど突っ込まれなくもないような。

錯覚を起こさせるための方法は色々あるが私は12枚(各スーツ3枚ずつ)で客にシャフルさせてその後スロップシャフルで分けて交互に裏表にしてダブルで客に裏表にしてカットして4枚で裏表にしてカットして折り紙、または時計回り、逆時計回りで4パケット、予言はiPhoneのKeynote(プレゼン)を使うと言う感じ。

良い

Move Zero (Vol 3)

ジョン・バノン カードトリック HIGH CALIBER P324

The Einstein Overkill


客が取ったパケットの枚数とストップしたパケットとの不思議な関係。そして最後にAが出現。

Trick that fooled Einsteinと言うコインでやるのが元。
検索してやっと理屈がわかった。コインで演るのは良いね。

ちょっと複雑かな

Move Zero (Vol 3) Box of Doomも同じ原理

ジョン・バノン カードトリック HIGH CALIBER P57

Bullet Train (Iconoclastic Aces – Syncopated Aces – Interrobang Aces)

三種類のエースアセンブリー。

Iconoclastic Aces

シンプルで軽く見せるのに良い。

Syncopated Aces

少しテクニカル
まあまあ

Interrobang Aces

少し難しい。
あまりやりたいとは思わないかな。

J.B. Flytrap False Cut

テーブル無しで出来る3パケットでやるフォールスカット。
少しフラリッシュ的。
まあまあ

The Bannon Triumph


バノンの代表作で元々play it straight triumphと言う名前だったけどバノンの代名詞になったのでそのまま名前が付いたようだ。

カードを選ばせるところはスイングカットしているね。
元はしてなかったように思う。

セットが必要だけどマルティプルカード当てにしてその場でセットすればいいかなと。最初にセットして2つ目で普通のトライアンフをして3つ目にこれをやれるという流れ。

とても良い